元自衛官の段取り力を営業に転化し、準備8割で成約率を伸ばす。周川航大が未経験の不安を乗り越えた流儀です。
転機を掴んだ気づき
入社直後の初商談は失敗だった。「現場経験があればなんとかなる」と楽観視し、簡単なプレゼンと「できます」の連発。結果は「今日はいいよ、また連絡する」という断り文句。営業は体力と経験だけでは通用しないと痛感した。転機は上司の一言。「君、自衛隊にいたんだろ?作戦って知ってる?」——海上自衛隊で叩き込まれた「作戦の8割は事前準備で決まる」という鉄則を思い出した。以降、商談前日には必ず想定問答集を作成。相手企業の業種、実績、求めるスキル、起こり得る質問を全てシミュレーション。当日は設計図通りに動くだけ。成約率は飛躍的に向上した。
準備8割、当日2割——この比率が、今の営業スタイルを支えています。
インタビュー
資料を入念にチェックする周川さん。デスクには付箋だらけの資料
営業において、「準備8割、当日2割」が私の鉄則です。商談の成否は、実はほとんど前日の準備で決まっています。
前日に何をやるかっていうと、まず判断軸の分析。お客様が何で決めるのか——価格なのか、安全性なのか、工期なのか、定着率なのか。この4つの軸で整理します。
それから、比較表を作るんです。うちとA社とB社、3社を比べた表。ここで大事なのは、必ず数字を入れること。「すごくいいです」じゃなくて「30%削減できます」みたいな。
あと、リスクの可視化。こういうリスクがあり得ますよって先に示して、その対策も一緒に書いておく。最後に代替案。「Aがダメだったら、Bでいけます。差分はこれです」っていうのを3パターン用意しておくんです。
例えば、明日の商談の準備シート:
- メイン提案:技術者5名、3ヶ月契約、月額250万円
- リスク:繁忙期の人員確保が課題
- 対策:2週間前の事前調整で95%確保可能
- 代替案:3名から開始、段階的に5名へ(差額100万円/月)
これを1枚のA3用紙にまとめ、ラミネート加工。商談中にサッと出せる状態にしておきます。お客様から「準備がすごいね」と褒められることも多いですが、これが自衛隊仕込みの「当たり前」なんです。
当日は確認だけでいい状態が理想なんです。あとは相手の反応を見て微調整するだけで済む。比較表は、結論→根拠→リスク→代替案の順で並べるんですけど、この順番が大事で。お客様の頭の中に自然と入っていくんです。準備の質が、言葉の説得力を底上げする。これやっとくと、商談中に自信を持って話せるようになります。
想定問答の練習をする周川さん。真剣な表情で、一人二役を演じている
正直、最初は自衛隊の経験なんて営業に関係ないと思っていました。でも、ある失敗をきっかけに気づいたんです。
海上自衛隊では、あらゆる事態を想定した訓練を繰り返します。機器の故障、悪天候、緊急事態——すべてに対処法を準備する。この「想定訓練」が、今の営業に直結しています。
具体的な想定訓練の例を話しますね。まず一番怖いのが「御社より安い会社がありますが?」っていう質問。これには「価格だけなら確かに負けます。ただ、定着率は弊社が15%高くて、結果的にコストは20%削減できるんです。根拠データはこちらです」って、すぐ資料を出せるようにしてます。
それから、決裁者が急に不在になるパターン。「社長が急遽不在になりました」って言われたら、「では本日は、社長にお伝えいただく3つのポイントをご確認いただけますか。後日、社長向けの5分動画も送らせていただきます」って切り返す。
あと競合の悪口を言われた時。「A社は対応が悪いと聞きますが」って言われても、「A社さんも素晴らしい会社ですよ。ただ、弊社の強みは24時間対応窓口と、専任担当制です。お客様に合う形を一緒に考えましょう」って、絶対に他社を下げない。
こうした想定問答を50パターン用意しています。暗記じゃなくて、体に染み込ませる。すると本番で自然に言葉が出てきます。
想定訓練で最悪のパターンに備えておけば、現実は必ず想定内に収まるんです。自衛官時代の訓練は、今でも最強の武器なんですよ。あの厳しさに比べたら、商談は楽ですね(笑)。準備ができてれば焦りは消える。焦りが消えれば、相手の本音が見えてくるんです。
慰安旅行での一コマ、元自衛官という事で、他の社員も安心しています
建設現場で学んだことがあります。「点検は点じゃなくて線でやる」という考え方です。
建設現場でも自衛隊でも、「点」の仕事はありません。すべて「線」でつながっています。だから就業後のフォローも、点ではなく線で設計しています。
具体的には、1週目、4週目、12週目っていう3つのタイミングでフォローしてます。
まず1週目は「不安の芽を摘む」時期ですね。現場に朝・昼・夕の3回顔を出して、本人と15分面談して、企業側にも5分確認する。で、改善点があればその日のうちに共有しちゃう。
4週目は「型を作る」フェーズ。作業効率を測定して、改善提案を実施して、本人の要望もヒアリングする。で、中間評価をお互いにすり合わせるんです。
12週目は「自走の確認」。独り立ちテストをやって、企業側の満足度も確認して、次のフェーズの目標を設定する。うまくいったら成功事例として社内で共有します。
面談記録は「事実・解釈・次の一手」の3分割。事実と解釈を分けることで、客観的な判断ができます。この手法で、定着率は85%から96%まで向上しました。
1週目は違和感の共有が大事なんです。小さな芽も見逃さないようにしてます。4週目は型づくりの時期ですね。その人なりの成功パターンを一緒に探して作る。12週目は自走の確認。ここまで来れば、もう大丈夫だなって安心できます。
「元自衛官」と聞くと、みんな身構えるんですよね。でも実際会うと「意外と優しい」って言われます(笑)。
自衛隊出身というと「厳しそう」と思われがちですが、実は逆です。規律があるからこそ、笑顔でいられる。これが私の信念です。
私は「ABCDEの法則」って呼んでるんですけど、5つのこだわりがあって。Aは「当たり前」——時間厳守、約束厳守、報告・連絡・相談。Bは「馬鹿にしない」——基本の徹底こそが差別化になる。Cは「ちゃんとやる」——70%じゃなくて100%を目指す。Dは「できるだけ」——無理はしないけど、諦めもしない。で、Eが「笑顔」——厳しさの中にも温かさを持つ。
例えば、朝礼での挨拶。背筋を伸ばして、相手の目を見て、笑顔で「おはようございます!」。たったこれだけで、1日の空気が変わります。建設現場でも「周川さんの現場は雰囲気がいい」と言われていました。
規律と笑顔は対立しません。むしろ、規律があるから余裕が生まれ、余裕があるから笑顔になれる。この好循環を大切にしています。
時間を守る、準備を欠かさない、約束を破らない。当たり前の徹底が信頼を生むんです。焦りが消えると、相手の表情がよく見えるんですよ。沈黙の意味も分かるようになります。A→B→C→D→E。最後は必ず笑顔で終わる。これが私のルールなんです。
大皿部長との記念撮影
大きな夢があります。それは「日本の建設技術を世界に」という目標です。
短期目標は、社内営業成績トップと中小企業診断士の資格取得。そして、ダイエットで5キロ減(笑)。営業としても、見た目としても、プロフェッショナルになりたい。
長期目標は、全都道府県で担当を持つこと。そして、キャリアコンサルティング技能士の資格を取得して、技術者のキャリア支援もできる営業になりたい。建設現場も自衛隊も経験した自分だからこそ、現場の気持ちが分かる。その強みを最大限に活かしたいです。
もし宝くじで1億円当たったら?「世界の女性を相手に営業活動」したいですね(笑)。でも冗談抜きで、日本の建設技術と人材を世界に売り込む仕事がしたい。大きな夢ですが、不可能じゃないと信じています。
可能性を広げるために、今を全力で頑張るんです。未来は今の積み重ねですから。全国制覇は野望じゃなくて、目標なんです。5年あれば必ず達成できます。一周回って今がある。過去は変えられないけど、未来は創れるんですよ。
海上自衛隊7年半、建設現場5年半。一見すると営業とは無縁の経歴ですが、すべてが今につながっています。規律、段取り、想定訓練——これらは最強の営業スキルになりました。
勝ち筋は前日に作れます。準備8割で「当日が楽」になる営業術。何か新しいことを本気で始めたいと考えている方、ネクストイノベーションはそのチャンスを提供できます。
年齢も経歴も関係ありません。元自衛官の私が言うのだから間違いない(笑)。ABCDEの法則で、一緒に日本一の営業チームを作りましょう!お会いできる日を楽しみにしています。
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